自分のまだ生まれる以前、86年の空港があり、二人の男女がいたならどのような物語があるのか考えてみた。

86年。その数字が既に懐かしさを内包していて、知らない時代ですら懐古させる数字の魔法、もしくは罠。

到達点の見えない物語はどこかで歪んでしまい、気色の悪い出来事が生まれた。

小説を書いていて楽しいのは正にその時であり、創られた物語が一瞬だけ真実味を帯びる。

ああ、この気持ち悪さは本当なのだと。

そんな風に実感する。

 

性的描写含みます。ご注意。

 

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